生ハム,手作り,恵那

生ハムって、食べたことありますか?

実は日本での生ハムの歴史は浅く、今から40年くらい前の輸入解禁から。

 

なんでも肉の発酵食品である生ハムは、菌とか発酵とかそういったものが引っかかって長く輸入されなかったそう。

1985年くらいから、グルメブームやイタリアンブーム、そしてバブルで一気に国民的な人気になったのね。

 

私、中学生の時に生ハムを初めて食べました。

メロンをくるんでパクっと。

感激したなぁ。

 

そうした思いが今に続いています。

 

生ハムの原木は自家製出来ます!

そして8年前、ネットで生ハムが手作りできると知り、早速、手作り生ハムを作りました。

2012年の冬、肉の岩島屋さんで豚の後ろ足1本を買って、チャレンジ。

 

塩をたっぷりふって3週間の塩漬け。

そして塩抜き。

ネット情報では、塩抜き加減がまったく分からず、ベーコンで培った勘どころでトライ。

乾燥させ、山小屋に放置。

普通、10ヶ月で食べられるものですが、なぜか記憶の底にしまっていて、食べたのが6年後の2018年!

6年熟成の手作り生ハム。

怖いよね〜。

カビだらけの生ハム

カビだらけの姿を見て、ひるんでいた私。

捨てようか、食べようか、迷いに迷い、好奇心が少しだけ勝ちました。

 

食べたら、むっちゃ旨いの!

旨味の塊。

旨味しかないの。

感動しました。

近くに杉林があって、なんとなく杉の香がついてたのよね。

空気をまとうんやなぁって思いました。

世界三大生ハムの産地は共通の気候を持つ。そして日本なら・・・

6年ものの生ハムが偶然美味しく出来てしまった経験が、「生ハムって雑に作ってもできるんや」と自信になりました。

 

というのも、世界三大生ハムの産地ってご存知ですか?

イタリアのプロシュート、スペインのハモンセラーノ、中国の金華ハム。

これらの産地に共通するのが、風土。

内陸で、冬寒く乾燥し、夏暑く湿度が高い。

そう、内陸の盆地なんです。

 

そして、私が生ハムを作った土地、故郷の岐阜県恵那市は、冬マイナス15℃のパリパリ乾燥、夏35℃のジメジメ湿度。

寒暖差50℃の過酷な大地です。

これが生ハムを作るのにとても優位な環境。

恵那市は生ハムづくりのポテンシャルが高い

なぜ、恵那市が生ハムを作るのに優位な環境かと申しますとその工程に秘密があります。

 

冬、仕込むんですが生肉を塩漬けして、まず制菌をします。防腐ね。

制菌した生肉を味わいがよくなるまで、塩抜きします。

この時、水で塩抜きするので、生肉の中に水が入ります。

水が腐敗のもととなるので、よく乾燥させます。

乾燥工程が外気温10℃以下の乾燥した恵那の空気が最高です。

 

そして夏。

タンパク質がどんどんアミノ酸分解され、旨味が増していきます。

表面は麹菌をまとい、白カビがふわっと生え、また青カビなんかもドバドバ生えます。

このカビも余分な乾燥を防ぎ、旨味を増してくれる味方です。

見るとおえってなりますけどね。

 

こういう冬と夏の季節の巡りが、生ハムの熟成を進めてくれるのです。

恵那なら雑に作っても生ハムになっちゃう。

地の利があるね。

生ハムスライス

色味がいいでしょう。

2019年もの。1年熟成。

生ハムサンド

レタスとトマトとマヨネーズ用意して、生ハムサンド。

バゲットにノセノセ、手巻き寿司みたいに食べるw

生ハムサンドの食べ方

塩味と旨味の洪水。

最高。

生ハムとバゲット

生ハムの里、恵那ってどう?

2018年の衝撃的な手作り生ハムから、毎年、生ハム手作りをしております。

肉の岩島屋さんのブランド豚「三浦豚」は、寒天の残渣を食べて非常に透明感のある脂が特徴の旨い豚。

これで生ハムを作ると、またスペインのハモンセラーノとは違った、日本の生ハムって感じになるのですよ。

 

そして生ハムは高収益な農業加工品になる可能性があります。

例えば、売値。

生ハムの原材料、豚の後ろ足はだいたい10キロ。1本1万円くらい。

これが1年後、生ハムになると3万円。

さて、2年後の生ハムはいくらでしょう?

・・・

・・

なんと、6万円にもなるのです!

そして3年ものは9万円!!

右肩上がりですよ。。。

もちろん、ハモンセラーノとかブランドという価値のある2年もの、3年もの、ということですが、絶対、日本の生ハムのポテンシャルは負けていない。

 

特に岐阜県恵那市は、豚の生産が盛んな地域。

豚の足というのは、食肉という点ではロスが多く比較的安値の部位。

それを使って高級品に化けるわけで、すごい経済価値が生まれます。

 

生ハムの里、恵那。

 

これで街づくり、いいんじゃないかな。

地の利もあるし。

 

最近見たユーチューブでホリエモンさんもさ、日本の生ハム生産のポテンシャルに言及してたのよね。

豚の生産技術が世界的にも高い高品質で、輸出するって事業されてるそうです。

恵那も負けずに生ハム文化を作りたいな!

 

ということで生ハム作りには、プラハパウダー。

生ハムに使う塩は、産地にもよりますが岩塩が多いです。

岩塩には亜硝酸塩が含有され、殺菌力が高いのです。

特にボツリヌス菌には効果的。

日本で作る生ハムの塩となると、海塩で亜硝酸塩は無縁。

ボツリヌスが怖いので、亜硝酸塩を添加したほうが良いです。

亜硝酸塩は発がん性がある、と嫌われていますが、自然界にあるもので天然の殺菌剤。

発がんよりもボツリヌスのほうが怖いです。

手作りされる時は使った方がモアベター。

塩は漬物つける塩で、こういうのが使いやすいです。

たっぷり使いますので、25キロ。

生ハム,手作り,恵那

写真は今年仕込みの乾燥中の生ハム。

絶賛、熟成中。

ちょっと暑くなるのが今年は早い気がしますが、見た感じ、乾燥も十分に進んでいます。

麹菌がちょっと少ないような。

塩抜きを少し塩分残し気味にしたせいかな?

こいつは2年熟成にしようと思っているので塩分多めにしたんだよね。

さあ、2年後、どうでるか。楽しみです。